映画『クリスマス・ストーリー』~複雑な家族物語を描いた異色作~

スタッフ/キャスト 管理人おすすめ映画 管理人おすすめ映画

映画『クリスマス・ストーリー』~複雑な家族物語を描いた異色作~

タイトルに“クリスマス”と付くと、わくわくするストーリーや心温まる物語を期待しがちである。しかし本作は非常に苦い物語が展開していくので注意が必要である(笑)
クリスマスに家族が集い、母親の病気を皆が気遣う…と いうと家族の愛に満ちたお涙ちょうだい映画に仕上がりそうだが、そこはさすがフランス、さすがデプレシャン、といいたい。姉は弟を毛嫌いして絶縁宣言をし、その息子は心を病み、母親は子供たちをどこか突き放し、嫁は同じ屋根の下の兄弟間で浮気をし、問題児の弟は暴れる。しかしこの交錯した愛憎にこそ共感する。家族は 必ずしも純粋に愛し合い心を通じ合っているわけではないと思わせられる。
そんな異色のクリスマスムービーだが、クリスマスという浮ついた空気の中、あえて本作を見るのもアリだと私は思っている。

『クリスマス・ストーリー』あらすじ

フランス北部の街、ルーベ。
アベル(ジャン=ポール・ルシヨン)とジュノン(カトリーヌ・ドヌーヴ)のヴュイヤール夫婦が最初に授かった子供は、男の子ジョゼフ。その2年後には長女エリザベートが誕生。だがジョゼフは幼稚園の時、白血病と診断される。治療法は骨髄移植だけであったが家族の誰も骨髄が不適合、長男を救うため夫婦は次男アンリをもうける。ところが彼の骨髄も適合せず、ジョゼフは6歳で亡くなってしまう。

それから数十年、ヴュイヤール夫婦はすでに初老にさしかかっていたが、ある日ジュノンにジョゼフと同じ病気が見つかる。クリスマス。母の病気をきっかけに、疎遠になっていた子供たちが家に集まってきた。

長女エリザベート(アンヌ・コンシニ)は戯曲家として成功し、優秀な数学者の夫クロード(イポリット・ジラルド)がいるというのに、彼女の心にはいつも悲しみと怒りがあった。彼女は母のために骨髄検査を受けるが、不適合と診断される……。

次男アンリ(マチュー・アマルリック)は、恋人フォニア(エマニュエル・ドゥヴォス)を連れ立って久しぶりに家族のもとを訪れる。妻を亡くしてからアル中だった彼は、5年前に詐欺まがいの劇場買収で多額の借金を重ね、それを肩代わりした姉エリザベートに代償として家族からの追放を言い渡されていた……。

三男で末っ子のイヴァン(メルヴィル・プポー)は、若い頃は病的に内気で友達もなく、アンリと従兄弟のシモン(ローラン・カペリュート)だけが遊び仲間だった。今では妻シルヴィア(キアラ・マストロヤンニ)や小さな息子たちと暮らしているが、イヴァンはシモンやアンリが、シルヴィアを好きだったことを知っている。もしかしたら、シルヴィアが本当に愛するのは自分ではなかったということも……。

アベルは、骨髄移植の危険を怖れていたジュノンを叱咤し勇気づける。やがてジュノンは、アンリの骨髄を受け入れることを決意するのだった……。

キャスト

カトリーヌ・ドヌーヴ (Junon)
ジャン・ポール・ロシロン (Abel)
アンヌ・コンシニ (Elizabeth)
マチュー・アマルリック (Henri)
メルヴィル・プポー (Ivan)
イポリット・ジラルド (Claude)
エマニュエル・ドゥヴォス (Faunia)
キアラ・マストロヤンニ (Sylvia)
ローラン・カペリュート (Simon)
エミール・ベルリング (Paul)
フランソワーズ・ベルタン (Rosaimee)

第61回カンヌ国際映画祭

『クリスマス・ストーリー』は第61回カンヌ国際映画祭記念特別賞を受賞した。

第61回カンヌ国際映画祭は、2008年5月14日 - 25日に開催された。同年のコンペティションに加え、ハリウッドメジャー作品『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』、『カンフー・パンダ』がワールドプレミア上映された。

イギリスのプレスは、2年連続でイギリス映画がコンペティションに選出されていない事実を特筆して報道した[1][2]。

上映作品

ラインナップ
題名 監督 製作国
オープニング ブラインドネス
Blindness
フェルナンド・メイレレス ブラジル
クロージング トラブル・イン・ハリウッド
What Just Happened?
バリー・レヴィンソン アメリカ合衆国
コンペティション部門[3]
題名
原題
監督 製作国
四川のうた
24 City
ジャ・ジャンクー 中国
Adoration アトム・エゴヤン カナダ
ブラインドネス
Blindness
フェルナンド・メイレレス ブラジル カナダ 日本
チェンジリング
Changeling
クリント・イーストウッド アメリカ合衆国
クリスマス・ストーリー
Un conte de Noël
アルノー・デプレシャン フランス
チェ 39歳 別れの手紙
Guerrilla
スティーブン・ソダーバーグ アメリカ合衆国
Delta コーネル・ムンドルッツォ ハンガリー
イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男
Il Divo
パオロ・ソレンティーノ イタリア
パリ20区、僕たちのクラス
Entre les murs
ローラン・カンテ フランス
愛の残像
La frontière de l'aube
フィリップ・ガレル フランス
ゴモラ
Gomorra
マッテオ・ガローネ イタリア
Leonera パブロ・トラペロ アルゼンチン
Linha de passe ウォルター・サレス
ダニエラ・トマス
ブラジル
沼地という名の町
La mujer sin cabeza
ルクレシア・マルテル アルゼンチン
私のマジック
My Magic
エリック・クー シンガポール
パレルモ・シューティング
Palermo Shooting
ヴィム・ヴェンダース ドイツ
Serbis ブリランテ・メンドーサ フィリピン
ロルナの祈り
Le silence de Lorna
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ ベルギー フランス イタリア ドイツ
脳内ニューヨーク
Synecdoche, New York
チャーリー・カウフマン アメリカ合衆国
トゥー・ラバーズ
Two Lovers
ジェームズ・グレイ アメリカ合衆国
スリー・モンキーズ
Three Monkeys
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン トルコ
戦場でワルツを
Waltz with Bashir
アリ・フォルマン イスラエル
ある視点部門
アルファベット順。邦題がついていない場合は原題の下に英題。
題名
原題
監督 製作国
A Festa De Menina Morta
(The Dead Girl's Feast)
マテウス・ナシュテルゲーレ ブラジル
Afterschool アントニオ・カンポス アメリカ合衆国
De Ofrivilliga
(Involuntary)
Robert Östlund スウェーデン
私は見たい
Je veux voir
ジョアナ・ハジトゥーマ
カリル・ジョレイジュ
フランス レバノン
ジョニー・マッド・ドッグ
Johnny Mad Dog
ジャン=ステファーヌ・ソヴェー フランス ベルギー リベリア
モダン・ライフ
La Vie moderne
レイモン・ドゥパルドン フランス
Milh Hadha al-Bahr
(Salt Of This Sea)
アンマリー・ジャシル パレスチナ ベルギー フランス 他
よそ者
Los Bastardos
アマト・エスカランテ メキシコ フランス アメリカ合衆国
ホルテンさんのはじめての冒険
O'Horten
ベント・ハーメル ノルウェー
停車
Parking
鐘孟宏 台湾
Soi Cowboy トーマス・クレイ タイ イギリス
TOKYO!
Tokyo !
ミシェル・ゴンドリー
レオス・カラックス
ポン・ジュノ
フランス 日本
ドイツ 韓国
トウキョウソナタ
Tokyo Sonata
黒沢清 日本
トルパン
Tulpan
セルゲイ・ドボルツェボイ カザフスタン
Tyson ジェームズ・トバック アメリカ合衆国
Versailles ピエール・ショレール フランス
Wendy and Lucy ケリー・ライカート アメリカ合衆国
クラウド9
Wolke 9
アンドレアス・ドレーゼン ドイツ
一半海水.一半火焰
(Ocean Flame)
劉奮斗 香港
コンペティション外
  • 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(監督スティーヴン・スピルバーグ、アメリカ)
  • 『カンフー・パンダ』(監督ジョン・スティーヴンソン John Stevenson / マーク・オズボーン Mark Osborne、アメリカ)
  • 『グッド・バッド・ウィアード』(監督キム・ジウン Kim Jee-woon、韓国)
  • 『それでも恋するバルセロナ』(監督ウディ・アレン、アメリカ/スペイン)

受賞結果

  • パルム・ドール - ローラン・カンテ 『パリ20区、僕たちのクラス
  • グランプリ - マッテオ・ガローネ 『ゴモラ』
  • 監督賞 - ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(Nuri Bilge Ceylan) 『スリー・モンキーズ』 Üç Maymun
  • 審査員賞 - パオロ・ソレンティーノ (Paolo Sorrentino) 『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』
  • 脚本賞 - ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 『ロルナの祈り』
  • 女優賞 - サンドラ・ コルベローニ (Sandra Corveloni) 『Linha de Passe』(監督ウォルター・サレス / ダニエラ・トマス Daniela Thomas)
  • 男優賞 - ベニチオ・デル・トロ 『チェ 39歳 別れの手紙』 (監督スティーブン・ソダーバーグ)
  • 第61回記念特別賞 - カトリーヌ・ドヌーヴ 『クリスマス・ストーリー』、クリント・イーストウッド 『チェンジリング』
  • カメラ・ドール - スティーヴ・マックイーン(Steve McQueen)『ハンガー』 Hunger
  • パルム・ドール - 短篇部門 - 『Megatron』 (監督Marian Crişan)[4]
審査員
国際コンペティション部門
  • ショーン・ペン - 俳優、映画監督(委員長、 アメリカ合衆国)
  • マルジャン・サトラピ - 作家、映画監督 ( イラン / フランス)
  • ラシッド・ブシャール - 映画監督 ( フランス / アルジェリア)
  • セルジオ・カステリット - 俳優、映画監督 ( イラン)
  • アルフォンソ・キュアロン - 映画監督 ( メキシコ)
  • アレクサンドラ・マリア・ララ - 女優 ( ドイツ / ルーマニア)
  • ナタリー・ポートマン - 女優 ( イスラエル / アメリカ合衆国)
  • アピチャートポン・ウィーラセータクン - 映画監督 ( タイ)
ある視点部門
  • ファティ・アキン - 映画監督 (委員長、 トルコ / ドイツ)
カメラ・ドール
  • ブリュノ・デュモン - 映画監督 (委員長、 フランス)
短篇映画/学生映画部門
  • 侯孝賢 - 映画監督 (委員長、 台湾)
  • オリヴィエ・アサヤス - 映画監督 ( フランス)
  • スサンネ・ビア - 映画監督 ( デンマーク)
  • マリナ・ハンズ - 女優 ( フランス)
  • ローレンス・カーディッシュ Laurence Kardish - キュレーター ( アメリカ合衆国)
話題のクリスマスムービー
    Copyright (C) 2012 a-christmas-story.jp All Rights Reserved

    クリスマスにはコレを見よう!